創業から48年になる日本人向けの英語教育や教材開発を展開してきたアルクが2014年から始めたアルクオンライン英会話というサービスがあります。
アルクオンライン英会話は米・英・加・豪を中心とし、常に教育を徹底した一流のネイティブ及び日本人講師陣を揃えることで高い品質を保つオンライン英会話スクールです。講師は日本も含めた世界中に住んでおり、現地の生きている英語に触れることができます。留学や海外赴任予定の地域に住む講師と日本に居ながら話すことができるものになっており、真面目に英語を話せるようになりたい、学びたいという人向けのサービスです。
今回は高い継続率を誇る理由と、その継続率を支える講師陣が英語を教えるプロであり続けられる理由を、アルクオンライン英会話を立ち上げた米村さんに聞いてきました。
目次
先生がプロとして高いレベルを保てる理由
ー 先生のクオリティが高い理由をお伺いできればと思います。どのようにして高いレベルの品質を保たれているのですか?
先生たちも色々いて、アメリカに住んでいるアメリカ人、カナダ人、イギリス人、南アフリカに住んでいる人とか。
やっぱりそれぞれ人によって、人生経験も英語指導経験も、性格も違いますよね。
もちろん、アルクとして分厚いキチンとした先生用のマニュアルもあり、その中から抜粋して教えていきますが、それだけでは完璧にはならないです。
何かというと、先生個別に対応したレッスンクオリティに関する部分です。
通常だと複数の先生に対して指導者が1人で一度に効率よく教えるというのがありますが、それだと徹底しないんですよね。
それぞれ先生の個性というものがありますから、やっぱり1人1人に対して個別指導をしていく必要があります。
そこで活躍するのが先生たちを直接指導する「講師マネージャー」の存在になります。この「マネージャー」たちを通じてもろもろの徹底指導や管理をしています。
彼らがそれぞれの先生と対面をしながら、キチンとトレーニングし1回で終わるのではなくてその後も定期的にフォローしながら、良くない点があれば、具体的に直す。
「この前はこういう教え方をしていたけど、それは違うからこう直してね」と伝える。
やっぱりその積み重ねですね。時間がかかってしまうがそれは仕方がない。
ー こういう教え方をしたというのは、どのようにして分かるんですか?
はい、良い質問ですね。
ー (笑) (池上さんだ!)
Skypeなので、先生と生徒がレッスンしているものを覗くことはできないんです。
どうすればいいと思いますか?
ー ??? どうすれば、、、うーーん。
(ホワイトボードに覆面調査と書かれる)
ー なるほど。
うちでいうとモニターと言ってるんですが、モニター調査。
新しく入った先生とか、色々問い合せがあったり、トラブルがあったりした場合にですね。必ず調査を行います。
覆面調査で先生の指導方法をチェック、良くない点はすぐ指導
100レッスンに1回とかはトラブルが起きるんですよね。
この1%という数字ですが、うちはかなり低いほうかなと思っています。
「あの先生は他の先生と違う教え方をしている」とか
すべての先生に対して任意なんですけど満足度を取っていて、これを1週間とか1ヶ月単位で集計してるんです。
なので、すべての先生に対して評価がどうかというのがわかっているんですね。
そうすると、生徒さんが低くつけている、
- 教え方
- わかりやすさ
- 講師の態度
- Skype
これらの各5段階項目を平均すると4.87になります。5点満点だから20倍して100点満点にすると97.4ですね、満足度97.4%はここから出してるんです。
でも、先生によっては低い人がいます。
もちろんそれは1人の生徒の評価が低いのであれば、それは相性もあるのである程度しかたない部分もあるとは思いますが、
たくさんレッスンをしていて平均が低いのであれば、何かがあるはずですよね。
そういうところに、モニター(覆面調査)を送りこんで調査するということです。
毎週Skypeでミーティングして、マネージャー講師と話し合って、
「この先生こういったこと言われてるから直さなきゃね」
「では、伝えておきます」
というような、改善の繰り返しですね。
メールのやりとりだけでなく、トラブル対応を含めたオンコールという仕組みも使っています。オンコールマネージャが3人いまして、この3人がシフト制で毎日特定の時間帯に待機している状態になっていまして、そこで先生たちとの日々のコミュニケーションもキープしています。
この3人はTOEIC満点で日本語もできるバイリンガル日本人。
もう5年くらいの付き合いですね。みんな日本にいます。
彼らはもともと先生で、その中でも気のきく優秀な先生をマネージャーとしてスカウトしたという感じですね。
マネージャーとオンライン英会話の先生たちとはSkypeでも繋がっているので、
マネージャーが先生に対して「こういったところを直さなければいけないよ」という指導を行うということです。
本当にこういう繰り返しですね。
マニュアルはありますが、それは基本のことで、実際は品質管理をしていく為には個別にみていって、ずっとそれを継続的にしていくしかないんですよね。
本当にそれを地道に続けていくしかないですね。この繰り返しで生徒さんに提供できるレッスンのクオリティを担保しているということです。
ー 先生を常に個別指導、そして生徒からの評価が少しでも悪い先生には覆面調査を行った上でさらに追加の個別指導を行ってクオリティを保っているのですね。指導方法等もプロが何年もやっているのでノウハウの塊になっていそうですね〜。
ー 先生を指導する頻度について教えてください。
土日も含めて毎日のようにやっています。
生徒さんから毎日のように入ってくる先生の評価を1週間、1ヶ月単位で集計してそれを先生個別に毎日フィードバックしていますね。
先生に直接渡しています。
ここが悪かったよ。とかですね。
さらに覆面モニタリングは複数人いて、1ヶ月数十コマはやっています。
その結果をフィードバックして常に改善しています。
ー なるほど。少し気になったことがあります。先程の1%のトラブルについてです。これは生徒さんからくるもの、先生からアルクにくるもの、システム的なものなどなどあるかと思いますが、それぞれについて教えていただけないでしょうか。
先生はトレーニングもしていますし、Skypeは無線ではなくて有線を使って、通信速度は問題ないレベルでインターネットにつながっていて基本的なトラブルは少なくなっています。
あるのは災害とか事故、病気ですね。そういうことで急にできなくなるというのはあります。
最近でいうとアメリカでハリケーンですかね。フロリダの先生とかはインフラがダメージを受けて停電とか、やっぱり日本以上に海外だと停電などが起きたりするので、もうそういった不可抗力ですね。
先生側のトラブルでいうと、少ないけれどもそういうことも起こりえます。
他には、風邪ひきましたとか、家族が病院に運ばれたのですぐ行かなければいけないとか。
あとは、、スケジュールを勘違いしたとか、先生の怠慢で起きることは3ストライクじゃないですけど、3回でアウトですね。
3回やったらだめ。場合によっては2回でレッドカード退場です。
ー もう先生ができなくなるということですか?
そうです。
もううちでは働けないということです。そこは厳しくやっています。
でも、そこは内容によるので、もちろん内容を聞いた上でということにはなります。
あんまりいないですよ。過去に、、、1人くらいですね。
それはやっぱり考え方なんですよね。彼ら先生も日本人の生徒に教えているわけですから、日本の文化に合わせなければいけないと思うんです。
日本人というと時間に対してしっかりしているので、ちゃんと時間通りにSkypeコールしないとだめなんですよね。
5分早くてもだめなんですよ。時間きっかりにSkypeコールをかけなければいけない。
いつもいつも1分、2分遅れていたりする先生もたまにいます。
でも「終わったあとに1分、2分伸ばせばいいじゃないか。」というような考え方ではだめなんです。
日本人からしてみると、その時間通りじゃないと不満に思うと思いますし、後ろに伸ばせばいいといっても、後ろだって別の用事があるかもしれないですし。
まぁ、そういう時間感覚の徹底も大事ですね。
あとは、生徒さん側で時間に準備ができていなかったりとかのトラブルもありますが、これらの生徒さん、先生、システムの3つを含めて1%くらいの割合でトラブルはどうしても起きますね。
ー なるほど、システムによるものや、先生からくるトラブルも含めて1%なんですね。
そうですね。全部で1%ですね。
なので全体でみると少ない方だと思いますよ。
本当にたまにという感じですね。
アルクオンライン英会話が良い先生を揃えられる理由
ー 先生を高いレベルに保つにもかなり運営努力をされているようですが、最初からそういった指導についてこれる先生は元々レベルが高そうですね。
これは細かく言えませんが日本や海外でリクルーティングしています。
まず履歴書をみて、沢山応募があった中から5人から10人とかに絞ってSkypeでインタビューをしますね。
このインタビューでどれだけ見抜けるかが第一関門です。
マネージャーのうちの1人が採用担当として、このインタビューばかりやっていてとても目が肥えていますよ。
もちろんですが例えばビジネス英語ができるかとか、性格的なところでいうと日本人と相性はあっているか、後々問題にならずうまくできるかというところですね。
この分野はとても上手になりました。当然ですがマニュアルもありますが、表面の話じゃなくて1年、2年、3年とやっていて身につくものがあって
ノウハウというかリクルーターの経験がモノをいうということですね。
それからトレーニングをします。
これは人によって違っていてやっぱり個別にトレーニングをします。
ここまでで数週間はかかっています。
ギュッと絞るともっと短くすることもできると思いますが、そうはしていないという事ですね。
クオリティというのは先生個人のクオリティもあるんですが、こういった全体的なシステムをうまく動かしていけるかというクオリティもありますね。
これらがうまく噛み合ってサービス自体のクオリティを上げていくということです。
ー 先生選び自体にかなり時間をかけているということですね。
ですね。
ビジネス経験や、先生の経験など、指導の資格を持っているかなど、大学で教育学的なことをやっていたかなどの書類での選考もありますが、
やっぱり人を見るということですね。面接する人も先生をしていた人なので、その経験からこの人なら自信をもって任せられるという人を探すということですね。
なのでやっぱり面接には真剣になりますよね。
ーすごい数の人を面接してきた人をみる目というかノウハウというか
だと思いますね。
これは、ビジネスの話にはなりますが、ただ儲かればいいということではなくてですね。
アルクはこういった品質のところに時間をかけすぎているというのはありますが、
高く品質を保ち真面目にやっていくというのは、会社の理念として大事にしたいものであり、お客様のためにもやらなきゃという思いがありますね。
生徒さんが求めているものというのは、成果に対してコミットして欲しいという気持ちがあると思うんですよね。
ちゃんと能力を伸ばして、ここまでのところをやりましょうね。というためにチケット制なんです。
定額制にするとチケット制よりちゃんと受けないと思うんですよね。
チケットだとちゃんと漏らさないでやろうという気持ちが生まれると思うんですよ。
そういうキチンと使って欲しいという気持ちがありますね。
そこがウリなので、ちゃんと真摯に向き合って成果を出すことを軸にしながらやるサービスでありたい。という感じですね。
そのために、大きくはなれないかもしれませんが、、、
すべては生徒さんのためにという事ですね。
アルクオンライン英会話の継続率が高い理由
ー 継続性に関するところでいうと、やっぱりその質の高さからということですか
あると思いますね。
いま3年やっていますが、40%くらいがリピーターですね。
フリートークをやる人も多いですよ。
一番は先生につくんですね。お気に入りというかですね。
意外と、一番最初にレッスンを受けた先生がお気に入りとなってずっと続くという傾向があります。
もちろん、中には何人か受けてみて相性のいい先生を探すという方もいます。
自分の相性のいい、気に入った先生をみつけてレッスンを受ける。
そうすると親近感も湧きますし、自分のこともよくわかってくれますから、アドバイスや指導も的確になりますよね。
個人指導になりますし、マニュアルとはまた違った自分に見合った教え方がどんどん深まっていく。
やっぱり相性もありますしね。
ー なるほど、1回目の授業で満足度が高いんでしょうね。その先生で継続するということは
だと思います。
やっぱりだからそこは先生をみて、自分の好きな先生を見つけられたこの人とならやっていける、英語がうまくなるという先生が見つけられれば継続をしていきますよね。
英会話スクールがなかなかできていないのはそういうところかもしれません。先生を選べないところが多いですから。
アルクオンライン英会話が他と違うところを教えてください
ー 先生のレベルが高い理由、それにより生徒の継続率が高い理由がよくわかりました。先生のクオリティ以外にどのような点が他の英会話スクールとは違いますか?
3つの「じ」というのですね。
- 時間
- 自信
- 時流
よく言われるんですよね。フィリピン系のオンライン英会話とアルクオンライン英会話は何がちがうの?と。フィリピン英会話は安いので、それと比べてどういいのか。という話ですね。
そこで違うのが、この3つですね。
最初の「時間」についてですが、ビジネスマンにしても学生にしても忙しいですよね。オンライン英会話って定額のところが多いんですが、実際のところ毎日受けるのは難しくないですか?実際のところ、週1回、いいとこ週2回くらいしか受けれてないんですよね。
だったら、レッスンの中身が濃いほうが、質がいいほうがいいですよね。
2つめ「自信」フィリピンの女子大生の人と会話できるようになりました。となっても背の高い白人の人と話をしようとしたとき、自信をもって話ができますか?シャイな日本人だと難しいことも多いんですよね。だったら最初から白人の人と話しませんか。ということですね。
実際に事例もあり、海外に赴任する前、実際にロサンゼルスにいるアルクの先生とレッスンしてたから赴任した後も現地の同僚たちとスムーズに話することができました。という話があるんですね。 それは、アルクでやっていたからで、きっとフィリピン人の女子大生とオンライン英会話のレッスンをしていてもその自信はきっとついていなかったと思うんですよね。
3つめ「時流」これはトレンドですね。時代によって言葉は変わってくるので、流行語も変わりますし、地域によっても変わりますしね。やっぱりそのときそのときに応じて、フィリピンで流行っている言葉とアメリカで流行っている言葉も違いますし、現地の時事ネタとかを話せるわけですね。
例えばアメリカでこういう事件があったとき、日本ではとても関心が高く報道されているけど、アメリカではどう?という話もできますし、私もそういう話をしたことがありまして、日本で関心が高いけどアメリカでは関心が低いという話題もあったりしますね。
アルクってもともと生の言葉、生の情報を、コミュニケーションでやっていくというのがポリシーですからそこともつながると思うんですけど、英語の勉強をしてテストの点数をあげるというだけじゃなくて、その先のビジネスに活かすとか生き方に活かすとか少し目標は高いですが、そういうことをしていきたい。
提供していきたいということですね。
アルクオンライン英会話が生徒のために先生の品質を高く保つ努力について伺いました。それはアルクの長い歴史から培われた英語教育と、先生1人1人に手間と時間をかけ、丁寧に指導しているというものでした。
コストをかけてでも生徒の為に少しでもよい環境をというアルクという真面目な会社がだからこそ実現でき、その結果が生徒の高い満足度、さらには英語学習の継続率の高さへとつながっていました。
コストがかかっても、生徒の為、真面目に。 …なんていい会社なの。。
次回:アルクオンライン英会話、米村氏に聞く!英語学習方法と異国で大切なこと
- アルクオンライン英会話で実際に起こったトラブル!
- グローバルな日本人に必要なもの、それは….
- アルクオンライン英会話が初心者にもオススメできる理由
などなどです。