会社の電話を受けた時、相手が英語で話しかけてきた場合、どのように受け答えすればいいのか分からず焦ってしまうこともあるでしょう。
特にこれまでは英語を必要としなかったのに、海外の企業などと取引するようになってからは電話する時に英語での受け答えが必要になるケースがあります。
ビジネスの電話で英語を活用する場合、どんな点に気を付ければ良いのでしょうか?
今回は、ビジネスで使える英語での電話応対について解説していきましょう。
英語にも『敬語』は存在する!
海外の方からすると英語は比較的覚えやすいもので、日本語は極めて難しい言語だと言われています。
アメリカの国務省によって作られた外国語習得難易度ランキングというデータからも、英語はカテゴリー0で最も覚えやすいカテゴリーに分類されていますが、日本語はアラビア語や中国語、韓国語などよりも難しいカテゴリー5+に分類されているのです。
これほどまでに難しいのは様々な理由がありますが、同じ意味を持つ言葉でもちょっとしたニュアンスが変わってきてしまうことが大きな理由の一つとして挙げられます。
例えば、英語で「お茶が欲しい」と伝えたい場合は「Give me tea.」や「tea,please.」、「Could you give mi some tea?」などの言葉が使われます。
しかし、日本語の場合、「お茶が欲しい」、「お茶をくれ」、「お茶をくれませんか?」、「お茶をもらえないでしょうか?」、「お茶をいただけないでしょうか?」、「お茶をいただきたいのですが」など、同じ意味なのにニュアンスの違いによって言葉が変わってきてしまうのです。
特に英語は直接的な言葉を使うことが多く、日本語のように多くの言い回しがあるわけではありません。
そのため、英語は日本語よりも簡単で習得しやすいと言われているのです。
ただしそうは言っても、英語でも普通の言葉より丁寧な言い回し、いわゆる「敬語」のような言葉は存在します。
ビジネスでも普通の言葉より丁寧な言い回しを使った方が好印象を持たれるのは確かです。
英語で電話応対を行う場合には、英語でも丁寧な言葉をできるだけ使うようにしましょう。
英語で電話を受ける時に覚えておきたい言葉
ビジネスでは電話を受けることも多いですが、もし相手が海外の方で英語で話してきたら戸惑う方も多いでしょう。
そんな電話を受けた時に活用できる言葉をいくつかご紹介していきます。
「Hello,△△Corporation,○○ speaking. How may I help you?」
-お電話ありがとうございます、株式会社△△の○○です。本日はどのようなご用件でしょう?
電話で応対する際に、まずは自分の会社名と名前を相手に伝えることは、英語であっても変わりません。
その後の「How may I help you?」が英語でも丁寧な言い回しに分類されます。
基本的には「How can I help you?」という言葉を使っても意味は一緒です。
しかし、「may I」を使った方がより丁寧になるので、ビジネスでの電話応対には「How may I help you?」を使った方が良いのです。
「Let me check if he(she)is available.」
-担当者が応対できるか確認してまいります。
「available」という言葉は日常英会話でも頻繁に登場する言葉です。
日本語では利用する、使用可能、空いているなどの意味を持っていますが、ビジネスなら応対する、予定が空いているなどで使えます。
アポを取る時にも使える言葉なので、電話応対だけでなくビジネス英語として覚えておきたい単語の一つです。
「I’m sorry. Could you repeat that?」「Pardon me. Do you mind saying that again?」
-申し訳ございません。もう一度言っていただけますでしょうか?
相手がとても流暢な英語で話していると、聞き取れない部分が出てくることもあります。
そういった時は適当に流すよりも、もう一度言ってもらえるように伝えてみましょう。
上記2つの文章は同じ意味で、どちらも丁寧な言い回しです。
「I’m sorry. Could you repeat that?」のCouldはcanの丁寧語にあたるので、より丁寧なのはCouldが使われている文章だと言えます。
「I’ll put you through to ○○(the △△ department).」
-○○(△△部)におつなぎします。
電話を担当者へつなげる時に使う言葉です。
電話を担当者につなげる言葉には実はもっと簡単な言葉があります。
「I’ll put you through now.」や「I’ll transfer your call.」です。
これだけでも電話をつなぐことはできるのですが、担当者の名前や部署を出すことにより、より丁寧な印象になるでしょう。
部署名を入れる場合は部署名の前に「the(定冠詞)」を入れるようにしてください。
「I’m afraid he(she)’s not available. Can I take a message?」
-あいにく現在応対することができません。ご伝言があれば承りますが、いかが致しましょうか?
「I’m afraid」は「申し訳ありませんが」や「あいにくですが」という意味を持っています。
相手の希望に沿えない時は「I’m afraid」を付けると良いでしょう。
英語で電話を掛ける時に覚えておきたい言葉
続いては、英語で電話を掛ける時に覚えておきたい言葉をいくつかご紹介していきます。
実際のビジネス現場で役立つものばかりなので、ぜひ覚えておきましょう。
「Hello. this is ○○ from △△corporation.」
-いつもお世話になっております、株式会社△△の○○と申します。
英語でもまずは挨拶が肝心です。
「this is」の部分は「My name is」でも構いません。
どちらの方が丁寧ということもないので、使いやすい方を選びましょう。
「May I speak to Mr.(Mrs.)□□?」
-□□さんにお願いしたいのですが?
担当者に代わってもらうための言葉です。
こちらの文章では「May I」を使っていますが、実は「I would like to」という言葉に置き換えることもできます。
ただし、「May I」と「I would like to」は若干意味が違ってくるので気を付けましょう。
「May I」を使う時は、代わってほしい担当者が今応対できるかどうか分からない時に使います。
「I would like to」は既にアポが取れており、その時間帯にいることが分かっている体で使う言葉です。
もちろん、そうでなくても使える言葉ですが、こちらの方が言葉の使い方としてより正しくなるでしょう。
「I’m calling about our appointment next week.」
-来週のお約束の件でお電話致しました。
どのような件で電話してきたのか、目的を伝えるために使う言葉です。
あくまでも一例なので、実際には様々な内容に置き換えられますが、基本形として「I’m calling about+名詞」や「I’m calling about to+動詞」を使うと「~の件でお電話致しました。」になります。
動詞で頻繁に活用されているのが、「ask about~(~について伺う)」や「discuss(相談する)」です。
うまく「ask about~」や「discuss」を活用してみましょう。
「Would you please take a message for him(her)?」
-伝言をお願いできますでしょうか?
担当者が不在で伝言をお願いする時に使える言葉です。
基本的に「please」は命令文なので文頭に「please」を持ってきてしまうと、ビジネスでは失礼に値する言葉になってしまいます。
目上の人にお願いする時は、「Could you~?」や「Would you~?」を利用しましょう。
さらに、これらの文頭を使う時に文末もしくは動詞に入る前に「please」を付けると、より丁寧なニュアンスへと変化します。
そのため、「please」単体で使うのはよくありませんが、「Could you~?」や「Would you~?」と組み合わせて使うようにしましょう。
「OK, thank you. I’ll call back later.」
-分かりました、ありがとうございます。後ほど掛け直させていただきます。
「I’ll call back later.」は日常の電話でもよく使う言葉です。
この文章は特に丁寧でなくても構いません。
ただし、不在と分かったら恐らく電話相手は謝罪してくるかと思うので、その時は「対応していただきありがとうございます」の意味も込めて「Thank you」を使いましょう。
今回ご紹介した、ビジネスの電話応対に使える言葉はほんの一部です。
それぞれの状況によって適切な言葉が変わってくる場合もあります。
最初は慣れていないとスムーズに日本語を英語に変換してから、実際に話すことは非常に難しいです。
しかしオンライン英会話などを活用し英語に慣れておくことで、突然英語で電話応対をしなくてはならなくなった時に、適切な対応が取れるでしょう。
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